追突事故が生じた場合にまず心配になるのは、自分にどれくらいの過失があるのか、という過失割合についてでしょう。今回は、追突事故のケースに応じた過失割合について説明します。
① 直進時に追突された
事例:交差点に進行中の自動車が、安全確認の目的でブレーキを踏んで停止したところ、後続の車に追突された。
⒈ どのようなブレーキが禁止されているのか
道路交通法24条では、「不必要な急ブレーキ」を違法としており、どのようなブレーキが不必要な急ブレーキにあたるのかが問題となります。
この点、急ブレーキとは、ブレーキを力いっぱい踏み込んで、最短距離で停止または減速することを示します。そして、こうした急ブレーキが、何の正当な理由もなく急なブレーキをした場合、不必要な急ブレーキにあたります。
⒉ 過失割合
通常の安全確認のブレーキであれば、そもそも急ブレーキとはいえず、同法24条違反にはあたりません。具体的な事情に応じて過失が認められることもありえますが、通常の安全確認のブレーキなら過失は認められません。
② 一時停止中に追突された
事例:片側一車線の道路で、右折のためにセンターラインをこえず、安全の確認して停車していた。このとき、対向車線には、ハザードランプを点灯させた別の車が停車していた。右折しようとした車は、ランプの点灯する車が急に後進したことで、車の右後ろ部分を追突された。
⒈ ハザードランプは過失割合に影響があるのか
このようなケースの場合、ランプが点灯していたことは過失を認める理由にはなりません。
⒉ 後方確認を怠った場合、後進した車の過失が10割認められることが多い
一時停止した車の安全確認の方法にもよりますが、通常、後進する車は十分に後方を確認すべき義務がありますので後進した車の過失割合が大きくなることが多くあります。今回の事例では、相手の過失が10割となりそうです。
③ 駐停車していた時に追突された
事例:狭い道路の右側に駐停車していた車に、別の車が追突した。
⒈ 過失割合
原則、駐停車している車に対する追突の場合、追突車の過失が10割となります。ただし、駐停車の方法が不適切である場合は、被追突車の割合が1~4割程度認定されます。
⒉ 駐停車の方法が不適切である場合とは
道路交通法上、駐停車する場合は道路の左側に沿うようにすることが規定されています。また、道路の狭さや交通量の多さなども不適切な方法かどうかの判断として考慮されます。よって、今回のケースだと被追突車の割合が1~4割ほど認定される可能性が高い傾向にあります。
町田神永法律事務所は、相模原市、座間市、大和市、町田市をはじめとして神奈川県で広く活動しています。鶴間駅(小田急江ノ島線)周辺地域にお住まいの方、東林間駅(小田急江ノ島線)周辺地域にお住まいの方、高座渋谷駅(小田急江ノ島線)周辺地域にお住まいの方の相談に対応しておりますので、交通事故における損害賠償問題や後遺障害の認定などの他、「自動車保険の等級について知りたい」、「示談金の相場について知りたい」といったお悩みをお持ちの方は、町田神永法律事務所までお気軽にご相談ください。
追突事故の過失割合ケース別解説
交通事故の基礎知識
町田神永法律事務所が提供する基礎知識
-
死亡事故で加害者に与え...
ここでは、加害者の刑事上の責任の内容を詳しく確認していきます。 ①過失運転致死罪 交通事故で被害者を...
-
交通事故とは
■交通事故とは 交通事故とは、一般的に、通行に使用される道路で発生する事故のことをさします。自動車と自...
-
保険金が増額する金銭的...
■保険金が増額する金銭的なメリット 現在は、任意保険が広く普及し、任意保険への加入が一般的になりました...
-
物的損害とは
物的損害とは、交通事故によって自動車やバイク、自転車、店舗などが受けた物理的な損害です。 道路による...
-
死亡事故で請求できる賠...
■死亡慰謝料(精神的損害についての損害賠償) 慰謝料とは、精神的な損害についての損害賠償です。 死亡事...
-
死亡事故で損害賠償請求...
■死亡事故で損害賠償請求ができる人 人身事故など死亡事故ではない交通事故の場合には、被害者自身が損害賠...
-
失敗しない交通事故示談...
交通事故に遭遇してしまった場合、相手方との示談交渉というものが必要になります。一度示談が成立してしまう...
-
死亡事故では弁護士が必要
死亡事故は、被害者が亡くなられた事実はもちろん、それによる損害の大きさも計り知れません。 加害者に対...
-
後遺障害に認めてもらう方法
後遺症を交通事故による後遺障害として認めてもらう方法として、どのような流れが必要なのかを、ここではみて...